令和8年度 標準報酬月額保険料額表を掲載しました
令和8年2月24日に開催された第183回組合会において、令和8年度事業計画および収入支出予算が承認されました。
令和7年度の当組合の財政状況は、当初予算で見込んでいた5億4,245万円の黒字からさらに好転し、実質収支差引額は9億1,821万9千円へと拡大しました。主な要因としては、保険料収入の増加が挙げられます。令和7年度も前年度に引き続き、春闘を契機とした賃上げ等により平均標準報酬月額が予算を900円上回ったことが大きく影響しました。また、国および健保連からの補助金も財政改善に寄与しました。
令和8年度も春闘の状況や人手不足の継続を背景に、賃上げ傾向が続く見込みです。当組合の平均標準報酬月額は、前年度決算見込みから5,000円増の365,500円、平均被保険者数については、近年の人手不足などによる減少傾向を踏まえ、前年度決算見込み比で400名の減少を見込んでおります。
賞与を含めた被保険者1人当たりの年間保険料は502,580円となり、前年度決算見込み比で9,311円、率にして1.89%の増加となります。これにより、保険料収入は前年度決算見込みを1億3,601万3千円上回る179億9,236万4千円が見込まれることとなりました。
一方、支出については、診療報酬の大幅な引き上げに伴い、保険給付費が対前年決算見込みで5億2,279万7千円上回り、組合財政にとって甚大な影響を及ぼすことが見込まれることとなりました。
これらを踏まえた、令和8年度予算は、保険給付費の大幅な増加が見込まれますが、保険料の増収と高齢者医療制度への納付金等の改善によって、実質収支差引3億5,658万6千円の黒字予算を策定いたします。
一般保険料率
医療保険制度を取り巻く環境は、近年大きな転換期を迎えています。国においては、医療費適正化に向けたOTC類似薬の給付見直しや高額療養費制度の再検討が進められています。一方で、診療報酬の引き上げ、出産費用の保険適用、子ども・子育て支援金の創設など、医療費構造に影響を及ぼす制度改正も同時に検討されています。このように給付抑制と給付拡大が並行して議論される中、医療保険財政は中長期的な不確実性を抱えています。
中でも診療報酬改定については、高齢化の進展に伴う見直しに加え、医療機関の人件費や物価上昇分も加算されることとなりました。改定率はこれまでを大きく上回り、医科本体分は2年間平均で3.09%増と、実に30年ぶりの大幅な改定となりました。診療報酬改定は通常2年に一度ですが、今回は物価高騰と賃上げに対応するため、令和8年度が2.41%増、令和9年度が3.77%増と、例外的に2年連続での改定が見込まれています。また、令和8年度中の見通しから大きく変動し医療機関の経営に支障が生じた場合には、令和9年度に再調整を行うとされ、さらに令和10年度以降も医療機関の経営状況等を踏まえた改定が検討される予定です。
このように、当組合を取り巻く環境は極めて厳しく、OTC類似薬や高額療養費などの制度改正の動向、診療報酬改定の影響を現時点で見極めることは困難です。このため、令和8年度は、将来の急激な保険料率の変動を極力回避し、長期的かつ安定的な運営を図ることを基本方針として、現行の保険料率を踏襲します。令和9年度以降の保険料率については制度改正や医療費の動向を踏まえた推計を行い、ご加入者・事業主双方にとって持続可能な水準を慎重に検討してまいります。
当組合としては、今後も健保連等の関連団体と連携し、制度改革や現役世代の負担軽減を求めていくとともに、さらなる経費削減と医療費適正化に取り組んでまいります。
介護保険料率
介護報酬は、社会情勢や介護サービスの運営状況、物価変動等を反映するため、3年ごとに基本報酬の調整が行われています。しかし令和8年度は、物価高騰による介護職員の処遇改善に対応するため、令和9年度の改定を待たずに期中改定が実施されました。具体的には、生産性向上や協働化に取り組む介護サービス事業者を対象に、最大月額1.9万円の賃上げを実現するため、介護報酬を2.03%引き上げる予定です。このように、医科分の診療報酬の大幅改定に加え、介護報酬も引き上げられる中、現役世代の負担は一段と増大しています。
当組合の令和8年度の介護納付金は、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の被保険者および被扶養者)1人当たり年間70,757円と見込まれます。これは前年度予算比532円、率にして0.75%の増加です。本来、介護納付金は高齢化の進展や介護従事者の待遇改善等により増加していくものですが、令和8年度は2年前の令和6年度分の精算として4億円超の返還があったことも影響し、前年を767万1千円上回る微増にとどまりました。
一方、介護保険料収入は、標準報酬月額が前年度決算見込み比5,100円増の400,100円となり、現行の介護保険料率を維持した場合、前年度決算見込みを3,070万6千円上回る見込みです。これらを踏まえ、令和8年度の介護保険料率は1000分の16.5を維持し、実質収支差引1億818万1千円の黒字予算を策定します。
介護勘定は昨年度に続き2年連続の黒字となりますが、少子高齢化の進展に伴い、介護給付費は医療費の伸びを上回るペースで増加しています。当組合としては、現役世代の負担軽減に向け、介護利用者にも応分の負担を求めるなど、介護保険制度の抜本的改革を国に訴えてまいります。
子ども・子育て支援金
「子ども・子育て支援金制度」は、社会連帯の理念を基盤に、子どもや子育て世帯を全世代・全経済主体が支える新たな分かち合い・連帯の仕組みとして、令和8年4月分(5月納付分)の保険料から徴収が開始されます。支援金の徴収は法令上、医療保険者が行い、徴収額の全額を国に納付することが義務付けられています。医療保険者は徴収した支援金を保険給付や保健事業に充てることはできず、この制度は介護保険と同様に代行徴収的な位置づけとなります。
当該支援金は、国の「こども未来戦略」に基づき、少子化対策を本格化するための施策を盛り込んだ「加速化プラン」の財源を担うものです。具体的には、児童手当の抜本的拡充、妊婦向け支援給付、出生後休業支援、育児時短就業給付などの財源に充てられます。
支援金率は令和8年度が0.23%でスタートし、令和10年度には0.4%程度へ段階的に引き上げられる予定です。
当組合の令和8年度における被保険者1人当たりの平均負担額は月額843円で、事業主と被保険者が折半して負担します。賞与についても標準賞与額の0.23%を納付いただきます。令和8年度予算では、子ども・子育て支援金を含む収入総額は4億2,302万円、支出総額も4億2,302万円となり、実質収支は予備費分の5,482万3千円の黒字となる予算を策定しています。
当該制度は、少子化や人口問題、さらには国民皆保険制度の持続可能性を高めるための全世代による分かち合いとして、新たな負担を伴いますが、協会けんぽや健康保険組合等の被用者保険間で支援金率の格差が生じないよう、国が一律の率を示します。また、国民健康保険や後期高齢者医療制度においても同様の負担が課される予定です。
社会保険制度を取り巻く環境は依然として不透明ですが、当組合としては、現役世代のさらなる負担抑制に向け、健保連をはじめ関係団体とともに、これまで以上に国への働きかけを続けてまいります。
今後も、ご加入者の皆様の医療のセーフティネットとして、健康寿命の延伸や健康づくりに積極的に取り組んでまいりますので、当組合の事業運営にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
令和8年度 標準報酬月額保険料額表(PDF)
(令和8年3月分保険料より)