令和6年度 標準報酬月額保険料額表を掲載しました
令和6年2月19日に開催されました第179回組合会において、令和6年度事業計画並びに収入支出予算が承認されました。
当組合の財政は、平成27年3月の事務局組織の再編によって、平成27年度から令和4年度まで8期連続の黒字決算となりました。そして令和5年度については、保険給付費が予算を約3億円上回りましたが、保険料収入が予算をおよそ7,200万円上回ったことに加え、高齢者医療運営円滑化等補助金1億1,533万円の補助によって財政が改善しました。この他高齢者医療制度への納付金等の減額や事務所費、保健事業費等の経費圧縮に努めた結果、6,200万円の黒字が見込まれています。
令和6年度も春闘で昨年を上回る要求が示され、平均標準報酬月額を3,000円以上引き上げる選択肢も考えられましたが、令和6年10月から被保険者51名~100名の事業所で働く短時間労働者が新たに社会保険の適用になり、増加する短時間労働者の平均標準報酬月額は134,007円が見込まれています。これは全体の報酬を400円程押し下げることとなり、報酬の減少と業界の厳しい経営環境を勘案したうえで、令和6年度の平均標準報酬月額は前年の決算見込みを2,000円上回る351,100円を計上しています。一方、平均被保険者数は、適用拡大により短時間労働者の増加が予定されているものの、近年の減少傾向を考慮し、300名減の36,600名としました。これにより、保険料収入は前年の決算見込み対比で、3,680万円の減収が見込まれます。
高齢者医療制度への納付金等は、コロナ禍の高齢者医療費の減少に伴い、前年度の決算見込みに対して4億7,126万円下回る大幅減になりました。しかしながら、引き続きインフルエンザを始めとする呼吸器疾患や調剤医療費の大幅な増加が想定されることから、令和6年度は、実質収支で3,000万円の赤字予算を策定せざるを得ないこととなりました。
実際には令和6年度も1億円を超える国庫補助(高齢者医療運営円滑化等補助金)が予定されており、予算計上はできませんが、最終的な収支は黒字に転じる可能性も考えられるところです。
これらのことから、令和6年度の健康保険料率は、前年度を踏襲して1000分の100とさせていただきます。当組合の保険料率は事務組織改革前の平成25年度から12年間、現行料率を維持することとなりました。今後、少子高齢化や医療の高度化などの社会保険情勢の逼迫がさらに加速することが予想され、現行料率では、いずれ医療費や納付金等の支払いに支障をきたすことが懸念されるところです。
昨年末、政府が策定した「こども未来戦略」には妊娠から子育てまでの切れ目ない支援をしていく方針が示され、財源については、医療保険制度からの「支援金」を活用する予定です。医療保険者が徴収する予定の「支援金」については令和8年度からの徴収が開始されます。制度の具体的な設計はまだ明らかにされていませんが、国には丁寧な説明責任が求められるところです。当組合としては、さらなる経費の圧縮と医療費の適正化はもちろん、ご加入者の健康づくりを側面から支え、極力現行の保険料率を維持していく所存です。
介護保険制度は令和2年度から完全総報酬割となり、原則として被用者保険の各保険者が同一の保険料率(令和6年度概算保険料率1000分の19.66)になりました。
令和6年度の当組合の介護納付金は、第2号被保険者(40歳以上65歳未満の被保険者及び被扶養者)1人当たり前年度予算対比で3.40%増加するため、介護保険の実質収支は7,200万円の赤字が見込まれることとなりました。このままでは準備金は令和7年度にも5億円を割り込み、本来ならば令和6年度の保険料率を引き上げることも考えられるところでございます。しかしながら、厳しい業界環境を勘案して、これまでの保険料率(1000分の16.5)を踏襲することとさせていただきます。
令和7年度以降は、国から示された介護納付金額を計算し、介護保険料率を見直していくことについて、改めて事業主並びにご加入者のご理解ご協力をお願いする次第です。
当組合は、事務局組織体制の改革後10年目になりますが、役職員一同、今後もさらなる財政健全化に向けて、事業運営に取り組んでまいります。そして、印刷産業に携わる方々への医療のセーフティーネットとして、皆様の健康づくりに取り組んでまいりますので何卒よろしくお願い申し上げます。
令和6年度 標準報酬月額保険料額表(PDF)
(令和6年3月分保険料より)